長年使っていたアーロンチェアが壊れた。 ご存知の方も多いと思うけれど、アーロンチェアは人間工学、運動理論に基づいて設計された高機能チェア。アメリカのハーマンミラー社のベストセラーである。 座面も背面もゆるやかな曲線で、生地はメッシュ。椅子にメッシュを使ったのはハーマンミラーが最初なんだとか。 座り心地は、椅子に包まれているような感じ、といったら伝わるだろうか。椅子の上で(感覚的には椅子の中で、だが)身体を動かすと、椅子も一緒にずれてくれる。物書きはとにかく座っている時間が長い。私は意識して座る姿勢を変えている。あーでもないこーでもないと考えながら、腰の位置を変えたり椅子に正座したりサイドのアームに両膝をかけて横向に座ったり。時には椅子の上で胡坐をかくこともある。 ところが、先日、座面を支える柱の根元がぐらついて、椅子全体がまっすぐに戻らなくなった。 もう二十年ぐらい使っているから、そろそろ寿命かなあとも思ったけれど、念の為、ハーマンミラーのメンテナンスセンターに問い合わせた。メールで椅子の写真を送ると、恐らく経年劣化で部品の交換が必要との返事だった。見積もりをもらうと費用は約3万円。正直なところ、古い椅子ゆえにもっとかかるかと思っていた。振り込みを済ませ、依頼書を PDFで送ると、専用の大きな箱が送られてきた。25キロの椅子をなんとか間とかそれに収めて、送り返した。 アーロンチェアがない間、木製の椅子にクッションに引いて机に向かったのだけれど、すぐに腰が痛くなってしまった。椅子の上で動けないことが、こんなに身体に負担だったとは。仕方がなく、日本間で床に座って、足を放り投げる姿勢で原稿を書いた。いつもと同じ環境ではないと、集中力が出なくて困った。いや、まあ、いつもと同じ環境でも集中力のなさは悩みの種ではあるのだが、アーロンチェアが大切な仕事道具であることを痛感した。 修理にかかる時間は約二週間とのことだった。十日ぐらい経って、メンテナンスセンターから、他の不具合が見つかったと連絡があった。合計8箇所。すべて直すと、さらに4万6,300円かかるという。「交換することをおすすめします」という印が4箇所ほどあった。追加で部品を注文すれば、自分で交換できるものもあったので、8箇所のうち6箇所を修理してもらうことにして、追加で3万9千円を支払った。 ちらっと、今、修理に7万円払っても、近いうちにまた修理が必要になるかもしれないから、思い切って新品に買い替えたほうが合理的かもしれない、という考えも頭をよぎった。ちなみに新品だと約20万円である。MacBookAir一台よりも高い。 同時に、私が買い替えたら、この長年使ってきた椅子はどうなるのだろう、とも思った。直さないと使えないのだから、もしかすると廃材になってしまうのかもしれない。 古くなったら捨てて、飽きたら捨てて、新しいものが目の前にあったら飛びついて今までのものは捨てて・・・。すっとそういうサイクルで暮らしてきた。でも、最近、そういうことにこそ「飽きて」いる。なんでもかんでもおニューにすることより、同じものを使い倒すほうが楽しそうな気がする。地球の環境の心配もあるっちゃああるけれど、正義感で廃材を出したくないのではなく、出さないほうが気分がいいのだ。出さないように気配りをする行為が娯楽、というか。 なんとなくそんなことを感じていた矢先、このハーマンミラー・メンテナンスセンターの対応には感服した。今回のやりとりで質問してみたら、私のアーロンチェアは1997年製だということがわかった。初めて自分の著作が出版された年である。山のような締め切りがあって、とにかく忙しかった時期だ。 アーロンチェアは、俗ないい方をすれば、いっ時、バブリーな成功者のおしゃれアイテムとしてもてはやされていたけれど、それは失礼な扱いだと思う。ハーマンミラー社は改良モデルが出ても「新型」とは呼ばす、それまでのものを「クラシック」、新しいものを「リマスター」と分けるそうだ。新しいこと=正義なんかではない。地に足のついたポリシーを感じる。 上から目線で申し訳ないが、アップル社にもこういう視点があったらなあと思う。椅子とパソコンを同じように考えられないという声もあるだろう。でも、5年でメンテナンス終了というのは、いくらなんでもかっこよくない。自ら「じゃんじゃん消費しちゃってください」といっているようなものだ。椅子と違って、本体はあくまでも「もの」であって、所有するのはクラウドの中にある情報、と考えることもできるけれど、でも、やっぱり「もの」がないと中身も使えないわけで。私は、MacBook AIrとiMac、iPad、それからもちろん iPhoneを使っている。 生活がリンゴマークの鎖に縛られ、いつでも「最新 =最高」に怯えている。古いパソコンやスマホを処分する度、わずかばかり感じる虚しさは年々大きくなっていく。 今、この文章は修理を終えて戻ってきたアーロンチェアに包まれながら書いている。壊れたら、また直す。修理が可能な限り、新しいものを買うことはないだろう。できれば、物を書く仕事をしているうちにはずっとこの椅子を使っていたいと思う。, 作家。小説やエッセイを書いています。テーマは、女性の生き方だったり、鎌倉の暮らしや情報だったり、興味の赴くまままに書いています。バブルの語り部です。著作は『鎌倉の家』『産む、産まない、産めない』『産まなくても、産めなくても』『エストロゲン』『マラソン・ウーマン』などなど。, Toki Sakurai / Furniture・Product designer. お値段3万円とバランスボールとしては異常に高い価格だけれども、椅子として考えればかなり安い部類に入る。 バロンは現行品なのでこれから買う人の参考にもなるかもしれないと思い、つらつらと書いておきます。, 当時、本体・アームレスト・ランバーサポートで86200円だった。 日本人がアーロンチェアに座るなら…室内でも靴やサンダルを履くのがおすすめ! アーロンチェアの修理と費用について。2008年に買ったアーロンチェアが新品のような座り心地に!保証期間が12年って凄 … ワンルームに置く椅子だからあまり雰囲気が重くならない明るい色で、と思って選んだピスタチオグリーンだけれども、やはり汚れは目立ちやすい。(写真だとそんなにだけど), 写真ではわからないけれども座面メッシュの下にスポンジ状のサポーター的な物が入っている部分があって、そこもずいぶん汚れているのだけれども、さすがにスポンジは洗えない。 去年のWIREDの表紙で存在を知って「バランスボールブーム再び、か?」と思ったけれど、それほど話題にもならず日本での取り扱いもかなり少ないので、買うとしたら相当勇気が要る。, しかしまあ椅子について色々思うところはあるが、結局先立つものがなければレストアも買い換えもできないわけで、しばらくはこの壊れかけのバロンで過ごすしかないのだ。 長年使っていたアーロンチェアが壊れた。 ご存知の方も多いと思うけれど、アーロンチェアは人間工学、運動理論に基づいて設計された高機能チェア。アメリカのハーマンミラー社のベストセラーである。 座面も背面もゆるやかな曲線で、生地はメッシュ。 何度か大塚家具のオフィスチェアコーナーに行ってアーロンチェアやコンテッサと比較した上で購入した。 ヘッドレストは後になって追加で購入した。 価格は覚えていないが、トータルでちょうど10万円くらいになったと覚えている。 アーロンチェアなどハーマンミラーのオフィスチェアは12年保証を謳っているけれども、実際どれくらいの範囲までが保証されているんだろうか。, へたりと言えば、座面メッシュのへたりが問題視されることが多いけれども、とりあえず今のところは多少へたっているけど座り心地はそれほど変わってないように思う。, 正直なところ座り心地に関してはバロンで全く不満はない(そもそも他にヘッドレスト有りの選択肢が少ない)のだけれども、この先さらに5年とか使うために何万もかけてフルレストアする気にはなれない。 アーロンチェアはハーマンミラーのアイコニックなデザインです。科学に裏打ちされた人間工学に基づく快適な座り心地が実現されています。どのタイプも保証期間は12年間。 価格が比較的押さえられたエルゴヒューマンが定番モデルとなりつつある(というか既になっている?)という変化が一番大きいのだろうか。 右側のアームレストに問題ないところをみると、いつも左寄りにもたれかかっているせいで劣化したのかもしれない。, 座面も汚れている。 そして中古の美品バロンを探して使うよりは、少し他の椅子に浮気がしたい。, しかしバロンを購入してからも相変わらず最良の椅子を探し求めるために、家具屋を見つけるたびに試座を繰り返してきたけれども、相変わらずハーマンミラー・スチールケースあたりが定番で、特にアーロンチェアは不動の王者で、オカムラや国内メーカーもぼちぼちといった感じで大きなブレイクスルーを感じない。 メッシュ地なので何度か中性洗剤などで洗浄を試みたのだけれども、全体的に綺麗になるがシミは残ったままである。 そしていつかあぶく銭が入ったときのために情報収集と試座を繰り返していくしかないのだ。, コメント拝読しました。2009年大塚家具新宿店で購入したバロン ローバック アジャストアーム付き(後にヘッドレスト追加購入)の左肘かけ部分表面が亀の甲羅のようにひび割れしてきました。オカムラの問合せたところ修理対応するとのことでした。見積金額は¥15,055とべらぼうに高くはないのですが、部材に問題があるのではないかと窓口担当に伝えたところ、そんなことはない又同様のクレイムはないとのことでしたが、貴方様のコメントを拝見し、やはりという思いをもちました。大手の企業は同様の不具合があってもなかなかリコールをせず内々で済ますケースが多いようで、オカムラのバロン肘宛不具合問題も同様のような気がします。メーカー負担での修理交換対応はしてもらえないようなので、何となく納得できないような気持でいたので、同じ体験者がいることを知り落ち着きを取り戻しました。. 何度か大塚家具のオフィスチェアコーナーに行ってアーロンチェアやコンテッサと比較した上で購入した。, ヘッドレストは後になって追加で購入した。 アーロンチェアとは、また違った座り心地。 値段も雲泥の差ですからね。 コストパフォーマンスは非常に良い。 私は気に入って、別モデルも購入してます。 まぁ、デザインとブランドという事で、 アーロンチェアをメインで使いますけどね・・・爆 しかし長期的に試座を続けてるとはいえ、バロン購入前ほど積極的に調べているわけではないので、ワークチェアの流行については他のブログに譲りたい。(だいたいまだミラ2チェアも試座してない), また椅子ではないけれども、テクノジムのバランスボールも気になる。 オカムラのサポートにスポンジ部分だけ交換できないかと問い合わせたら、座面全体の交換(たしか数万円かかる)になると言われてしまった。, 買ったときには「10年使えば年間1万円。腰痛になって医者にかかることを考えたら安い!」と思って買ったのだけれども、実際これだけの年が経ってくるとやはり部分部分がへたってくる。 メシ食ったりするのもほとんどこの椅子だったので、汚れるのも仕方ない。 アーロンチェアを購入しようとして迷っていませんか?高額な買い物をするときは、実際に使用している人のレビューを見るのが、一番です。アーロンチェアを4年使って分かったことや気をつけるべき点を書いたので、購入前の参考にどうぞ。 料金は、発送時にお支払いです。アーロンチェア(椅子)のサイズは、縦・横・高さの三辺合計のサイズが250cm以内のCランクでした。発送金額は消費税込みで 8,694円(税抜きでは8,050円)でした。 それに加えて、「万が一の保険(一般家財)を掛けますか? 価格は覚えていないが、トータルでちょうど10万円くらいになったと覚えている。, 「完璧な座り心地とは言えないけれども、そんじょそこいらの椅子とは大違いだ!」と思って今日まで座ってきた。, しかし最近左のアームレストにひびが入った。 エアコンが苦手なので夏場に汗をかきまくってきたので仕方ない。 アーロンチェアは残念ながらその台数が圧倒的に多いのだ。 市場現存台数が多いってことは、いい椅子ってことじゃん。 とはならないのは、中古車を想像してもらうとわかりやすいはずだ。