ボールペンデバイスにより,白い床に好きなものを書き,書いたところのテクスチャが振動となり体感できる. 床やペンは,始めは真っ白であるが,時間が経つにつれ,落書きだらけになり,ペンも汚れて行き,時間の経過も感じられる. 普段,我々は音を聞いているとき,無意識のうちに体でも音を感じている. 昆虫などは振動で様々なことを伝えることから 音と同様に振動も感じ方が変わり,情報をもたせることが出来ます.音からくる振動ではなく振動そのものから来る感覚や音を, 体感することができる. 道路にチョークで書いたときに伝わる道路のデコボコ. 滑らかな壁にあるちょっとしたつなぎ目. 規則的に編まれた布の手触り. 様々な振動を体感したとき,人はそれを何と感じるのだろうか.
ペン型のデバイスの中にはハウリング防止のための加速度センサー,マイコン,コンデンサマイク,アンプが内蔵されている. 白い床は1800mm×900mmが3枚で,それぞれに振動子が2個ついている. ペン型のデバイスにより,入力された音声信号をPCに送り,MaxMsp(開発環境)でPitch-Shift,Low-Passなどの処理を行い体感振動ようの波(80Hz付近)の波を生成する. 従来,振動を体感する場合,音声信号にLow-Passをかけるのみだが,本作品ではより振動に情報をもたせるため,Pitch-Shiftも取り入れた. その波をアンプに送り,振動子に送る.